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2014年11月7日金曜日

となりの患者13



となりの患者は元キャバクラ嬢だったと言った。
彼女によれば、キャバクラ嬢には2パターンがあって、美貌を売りにする者とトークを売りにする者がいて自分は、後者だったのだと言う。納得した。
そんなとなりの患者が翌年も入院してきた。その時の彼女の病室は、談話室の隣の部屋だった。
ある日、キャバクラ嬢だったという元となりの患者が怒りに震えて、私の病室にやってきた。
病室のとなりの患者に「おそだちがおわるいのね。」と言われたと。
元キャバクラ嬢のとなりの患者は、病棟ではお局様と言われる老婦人で、代々医家で、娘も医者にしたというのが常々ご自慢だった。(となりの患者5
そこまで言われるには訳もあって、元キャバクラ嬢の親戚一同総勢10人以上、赤ちゃんもいたそうで 、その皆様が狭い3人部屋で、わいわいがやがやどんちゃん騒ぎになったそうな。隣が談話室ではあるけれど、病棟内で別派閥の女子が連れ立っていて、談話室はよしたのだという。その時私がなんと慰めたか慰めなかったか、覚えていない。心に残ったのは「おそだち」という言葉だけだった。
「おそだちかぁ〜」と。

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